求職者は現職や前職に対して何らかの不満や不安を持ち、転職活動に踏み切ることが多いです。
何らかの不満や不安で多い理由の一つに現職から自分が思う以上に評価されず、給料に不満があるというものです。
恐らく、この不満は現職や前職では解消されない可能性の方が高いため、転職するということは正しい選択です。
求職者の多くは、転職に対して、過度な期待を持ちすぎているのですが、転職で現職や前職よりも高い年収を確保できるという可能性はどれぐらいあるか知っていますか?
転職サイトなどには転職ノウハウということで、年収を上げるための転職方法や、『こうやれば必ず年収が上がる』、『90以上が転職で年収が上がった』という文言で、利用促進を図っています。
現実はそんなに甘くありません。
すべての求職者のなかで、転職で年収が上がったという求職者の割合は1割、2割程度で、大体の場合は、現状維持かダウンです。
このような背景のなかでも1割、2割の求職者は転職で年収が上がっているのですが、1割、2割のなかで、年収が上がっている求職者の層は、年収が300万円未満だったという求職者です。
年収300万円未満とは、月給で換算すると30万円未満ということで、決して高い部類には入りません。
今回は、年収300万円未満の求人タイプ、そして、年収300万円未満の求職者の転職方法、さらには、どのように転職活動をすれば年収が上がるのか実態をご紹介します。
年収300万円未満の求人タイプは?
年収300万円未満の求人に応募しようとする求職者は、特別な事情がない限りは、現職や前職でそれぐらいの年収をもらっていた人が多いです。
大半の求職者は、転職で年収アップを期待しているのですが、あまり現実的ではないラインまでは希望せず、現職や前職を考慮した形で求人に応募します。
年収とは、採用を行う企業からするとその求職者の仕事の価値を意味していて、年収が高い分、採用後にレベルが高い業務を任せようと考えます。
年収300万円未満の求人は、課長などの管理職ということではなく、役職がない一般社員としての採用を前提に考えていることがかなり多いです。
そのため、求職者は今の自分のレベルに合わせた求人選択を行い、現職や前職で300万円前後の年収をキープしている場合は、年収300万円未満の求人に応募する傾向があります。
一般社員として想定されている年収300万円未満の求人の主な仕事レベルは、『派遣でもできる仕事』というイメージが転職市場には強くあります。
『だったら、派遣を募集すれば良いのではないか?』と思う求職者もいるでしょう。
しかし、企業には将来を見据えて実務を通して人材を育成する必要があります。
転職市場では、即戦力人材を企業は採用しようとしますが、年収300万円未満の求人に関しては、即戦力人材ではなく、育成前提の人材を想定しています。
年齢的に言えば、28歳以下です。
例外的に30歳を超える場合でも年収300万円未満の求人で募集されていることもありますが、基本的には28歳以下の求職者対象だと考えてください。
ということは、求職者からすると、年収300万円未満の求人に応募できるかどうか、自分の今の年齢を見る必要があるということです。
例外はありますが、基本的には年齢で制限されますので、28歳以下を超える求職者は応募は控えた方が良いでしょう。
応募はできる!?
年収300万円未満の求人がターゲットにしている28歳以下の求職者ではなくても、転職エージェントや転職サイトを介して応募することができるのです。
なぜかと言いますと、法令により採用活動を行う企業は年齢を理由に応募することを拒否してはいけませんし、募集要項にも年齢制限を記載してはいけないことになっています。
このように表向きは法令により求職者は守られているので応募すること自体は何の制限もなくできますが、その先が問題です。
例外を除き、基本的に年収300万円未満の求人がターゲットとしていない求職者については、応募後に年齢だけを見て見送りされます。
企業の選考を受けるときには必ずと言って良いぐらい書類選考があります。
書類選考は見送りを前提にしている選考性格を持ち、企業が行う面接回数を減らすことが目的になっています。
求人上では応募不可とはしない場合でも、年齢だけを理由に見送りにすることができます。
法令により、年齢を理由に見送りにすることも禁止されていますが、国は企業が選考において年齢を理由に見送りにしているかどうかの明確な証拠を掴むことができず、この禁止事項は実質は無視されているということになります。
応募はできても見送りにされると求職者はどうなるかと言いますと、選考理由を企業から聞くことはできませんので、『自分の経歴に問題があったのか』という具合に、経歴に対して自信をなくし、その後の選考に影響があります。
年齢だけを理由にされていることを知らずに自分で自分のことを下に見てしまうと、その後の転職活動条件を無意味に引き下げるようなことにもなってしまいます。
ですので、求人上は応募制限がない場合でも年収300万円未満の求人を見たら、瞬間的に28歳以下の求人ということを考えて頂き、興味はあっても見送りになりますから、応募しない方が良いです。
年収300万円未満の求職者の転職方法
年収300万円未満の求職者がどのような転職方法をすれば、年収300万円未満の求人で転職できるのかご紹介します。
一見、どちらも年収300万円ですので、需要と供給のバランスがあり、転職にはそこまで苦戦することはないと思うでしょう。
確かに年収300万円という点だけみれば需要と供給のバランスが取れているように見えますが、実情は、かなりのアンバランスがあると考えてください。
求職者が在籍していた企業に、役職がない一般社員はどれぐらいの割合でいますか?
また、逆に役職を持っている課長以上の社員はどれぐらいの割合でいますか?
転職市場は、企業内の組織バランスとほぼ同じです。
企業内に管理職相当の社員は2割から3割程度です。
つまり、一般社員は7割程度ということになります。
これを転職市場に置き換えると一般社員経験の求職者が7割ということです。
1000人の求職者がいたとすれば700人がそれに当てはまります。
一般社員の平均年収はどれぐらいかご存知でしょうか。
答えは300万円前後です。
転職市場には、一般社員の経験を持ち、一般社員を対象にした求人を希望する求職者がかなりの数がいます。
一方、一般社員が該当する年収300万円前後の求人は転職市場には7割もありません。
むしろ、2割、3割程度少ないということになっています。
需要と供給のバランスが悪いのです。
年収300万円未満の求人が少なく、それに応募しようとする求職者の数が多いということは、必然的に選考倍率が上がり、内定を取りにくい環境になっているということです。
今の転職市場は、日本経済の景気により非常に求職者には有利の売り手市場になっているのですが、年収300万円未満の求人については売り手市場にはなっていないのです。
転職しにくいならば、今は転職活動はやめようと思うかもしれません。
しかし、大丈夫です。
十分、転職することができますので、転職するモチベーションを下げる必要はありません。
第二新卒市場が味方する
今の転職市場は、第二新卒という市場があります。
転職エージェントのなかには第二新卒の求職者に特化した転職エージェントも登場するぐらい第二新卒の市場は盛り上がっています。
第二新卒の年収はどれぐらいでしょう。
年収300万円未満になります。
つまり、年収300万円未満の求人を希望する求職者と競合するということになりますが、一般社員の経歴を持つ求職者のなかには半分程度が第二新卒の求職者です。
第二新卒の求職者は、第二新卒の求人に応募しようとしますから、先程、年収300万円未満の求人に関しては売り手市場になっていないと言いましたが、より具体的に落とし込んでいくと、年収300万円未満の求人も売り手市場です。
仮に第二新卒という転職市場がなければ、完璧に買い手市場になっていて、転職活動は苦戦必至ですので、今は転職活動をやめようとする気持ちは正しいです。
このように第二新卒という新しい市場がありますので、年収300万円未満で共通すると言っても、その先は分散されます。
具体的な転職方法は?
売り手市場であるため、比較的簡単に転職することはできるのですが、人気求人は応募数が殺到しますので、求職者間での相対比較により企業の選考ハードルは引きあがります。
そのため、人気求人に転職したいのであれば、他の求職者よりも転職方法に関して工夫をすることが必要です。
年収300万円未満の求人でよりうまく転職するためには、転職エージェントを使わなければなりません。
今の時代、転職活動をするためには転職エージェントを利用することはスタンダードになっているので、それぐらいは知っているという求職者も多いはずです。
しかし、どの転職エージェントを使えば良いのか、なぜ、その転職エージェントなのかという理由までは分からないという求職者が多いはずです。
結論から先に言いますが、年収300万円未満の求人を目指すなら、リクルートです。
リクルートは豊富な求人数と豊富な転職支援実績がありますので、どの求職者にもメリットがあるのですが、特に年収300万円未満の求人には強く転職支援を受ければ他の転職エージェントよりも充実した転職活動、転職結果を得ることができるでしょう。
リクルートは転職支援の数でここまで成長してきた転職エージェントで、年収300万円未満の求人は昔から企業と取引が多く、今に至ってもその取引実績があります。
また、リクルートは、転職エージェント事業の他に転職サイトも同時に運営していて、転職サイトに掲載されている求人にも応募することができる一石二鳥の環境を提供してくれます。
転職サイトに求人を掲載する企業は、経営や事業に影響がある年収が高い求人は掲載せず、育成前提の人材をターゲットにした求人を掲載する傾向があります。
企業からすると、中途採用には必ず採用コストが発生しますが、なるべく安く採用したいと考えます。
転職サイトは、だれでも情報を閲覧できますので、経営や事業にインパクトがある管理職相当の求人を掲載すると競合他社にその情報が知られ、あまり都合が良くありません。
一方、年収300万円未満の求人を掲載しても、特別、支障がないのです。
転職サイトに求人を掲載すると掲載料が発生しますが、転職エージェントを利用するよりも数倍安いです。
この2つが理由で、年収300万円未満の求人は転職サイトにも掲載されていることが多いのです。
リクルートを利用すると、転職サイトに掲載されている年収300万円未満の求人を転職エージェント事業側から応募することができるのです。
転職サイトは他にもあるため、リクルート以外の転職サイトでも同じことではないかという話になりますが、求人の数と質が違いますし、その他の転職サイトのなかには転職エージェント機能がない場合もあります。
転職サイトから直接応募すると、その後の転職活動、企業の選考に関することはすべて求職者自身が行うことになり、求職者からすると非常に不利ですし手間です。
ですので、リクルートでなければならないのです。
年収を上げるためには?
年収300万円未満の求人だから、内定時の条件は年収300万円未満だろうと、半ば諦めている求職者はいませんか?
年収300万円未満の求人でも年収を上げるコツがあります。
同じ転職ならば、少しでも高い年収の方が良いはずです。
そのコツとは、小規模の転職エージェントを同時に利用して、小規模の転職エージェントから紹介された求人をリクルートに状況提供して、リクルートから応募することです。
この方法はかなりニッチな方法で恐らく大半の求職者、または、どの転職エージェントを利用しても教えてくれることはありません。
小規模の転職エージェントにも年収300万円未満の求人があるのですが、求人の出どころは企業の経営者から直接依頼されていることが多いです。
そのため、年収300万円と言っても、実際はもっと高い条件で転職できる可能性が高いのです。
経営者から直接依頼されている求人は求人に記載されている以上の年収提示が予想されますし、リクルートから応募しても条件は変わりませんから、転職支援実績が十分なリクルートから応募すると内定確度は上がり、その内定条件も上がる可能性があるということです。