今の時代はアナログ社会ではありません。
デジタル化の進展が今の社会にはあります。
これは転職市場でも同じことが言えて、求職者が求人を検索する、応募する、そのプロセスのやり取りも含めて面接以外はすべてデジタルにより行います。
分かりやすい例で言うと、転職サイトです。
転職サイトは、インターネット上にある求人検索媒体で、数多くの求人がそこにあり、北は北海道から南は沖縄まで、日本のどこにいてもインターネット環境さえあれば、だれでも求人を検索することができます。
このようにインターネットを駆使した環境が転職市場でも進んでいます。
このような環境のなかで、履歴書をあえて手書きで書き企業に提出する求職者がいます。
今回は、履歴書を手書きで書くと企業からどのような評価を受けるのかということについてお話します。
履歴書を手書きで書くは良い?悪い?
結論から言うと、履歴書を手書きで書くという行為は、企業からプラスの評価を受けることの方が多いですし、選考には関係ないとしても決して悪い印象を与えるということはありません。
なかには、『今の時代で、わざわざ履歴書を手書きで書くと企業からPCが使えないという評価を受けるのではないか?』というネガティブな声や不安を抱く求職者がいますが、そのようなことはありません。
なぜかと言いますと、どの企業でも、PCを使えることを前提として考えていて、履歴書を手書きで書くという一点だけでPCを使えないとは判断しないからです。
今の時代で、請求書や伝票、企画書を手書きでしか書かないという求職者はいますか?
年齢が60歳前後の人でもPCを使って仕事をしている時代です。
宝くじを当てることよりも、PCを使えない求職者と出会う方が難しいでしょう。
また、履歴書には資格を書く欄があり、その欄にワード、エクセルなどの資格を書ければ、完璧です。
手書きで履歴書を書いたとしても、マイナス評価には絶対になりませんので、求職者が手書きで履歴書を書きたいと思うのであれば、何の躊躇なく書いて頂いて大丈夫です。
手書きの履歴書がマイナス評価を受けないということが分かったうえで、次は履歴書を手書きで書くとどのようなプラス要素があるのかお話します。
熱意が伝わる
だれかに自分の思いを伝えるときに、ペンを走らせるでしょう。
その際、手書きの手紙やはがきが一番、相手に思いが伝わると言われますし、自分が受け取る側になった場合でも、手書きのものは一味も二味も違いを感じるのではないでしょうか。
企業も全く同じです。
履歴書を手書きで書くという結果だけであれば、そこまでプラスの評価を受けるということはないのですが、データで作成することもできる時代にわざわざ手書きで書くということは、企業からすると、『当社に強い思いがある』という印象を持ちます。
求職者は、企業の選考を受ける際に、一番最初に待っている選考は書類選考です。
書類選考は、すべての選考のなかで最も通過率が低い選考になります。
その理由は、求職者に関係なく企業の選考事情による足切りという理由もありますが、求職者のことを身近に感じることができず、文章だけで評価されるという点にあります。
確かにデータでの履歴書は、作成には時間削減に繋がり便利になるのですが、思いを伝えるという点においては、手書きよりも効果は低いです。
求職者が、自分の思いを伝えるための手段として、履歴書を手書きで書くというプロセスが、企業の心を打つのです。
手書きの履歴書に効果があると言っても、求職者の大半は現職に在籍しながら転職活動をしていますから、なかなか転職活動に関することを行う時間がありません。
そのため、企業の選考に関して必要な履歴書については、9割以上の求職者が、データで作成し、提出しています。
どの業界や市場でも差別化は大事です。
9割以上の求職者がデータでの履歴書を作成提出するならば、まさに差別化を生む良い機会です。
自分が残り1割に手書き履歴書組みに入ることができれば、当然、書類選考でも目を引く存在になることができますし、良い意味で、差別化を図ることができるのです。
他の求職者がデータで提出しているから、自分もデータで提出も決して間違っていませんし、生産性を目的とするならば、むしろ、データの履歴書の方が正しい選択です。
ただ、転職活動の目的は、自分が納得できる企業から内定をもらうことで、生産性が一番の目的ではありません。
書類選考対策であえて手書きに!
書類選考は最も通過率が低い選考で、職務経歴書を見る前に、履歴書上で見送りにできる箇所があれば、それだけで一発アウトになります。
求職者は書類選考の性格を知るべきです。
書類選考は見送りにすることを前提にした選考ですので、自分では普通の経歴だとしても、企業からすると粗さがしになりますから、些細な経歴でもNGにしようとします。
書類選考ほど、企業優先の選考はないでしょう。
自分では普通の経歴だと思っていても、見る側の企業がどう感じるかは分かりません。
そこで、手書きの履歴書です。
些細なマイナス経歴はもちろんのこと、その他の少し選考では不利になりそうな箇所も手書きの履歴書で帳消しにすることが可能です。
ある転職エージェントが効果測定をしています。
その効果測定の内容は、書類選考の段階で、データの履歴書と手書きの履歴書では、どちらの選考通過率が高いかということです。
この効果測定の結果、手書きの履歴書の方が圧倒的に高い選考通過率を得ています。
もちろん、求職者の経歴も多少は影響がありますから、絶対の評価をすることはできないのですが、参考値としては十分な情報です。
効果測定の結果から分かるように、手書きの履歴書がいかに書類選考対策になるのかということが良くわかるでしょう。
面接では、熱意を直接、面接官に伝えることができます。
書類選考でも履歴書に記載すれば、熱意を伝えることはできますが、あくまでデータでの履歴書上になりますから熱意の伝わり方が変わります。
履歴書を手書きにして書くことの方が、熱意をデータの履歴書で伝えるよりもよほど効果があり、伝わります。
今、転職活動をしていて、なかなか書類選考が通過しないという求職者の打開策の一つとして、履歴書を手書きにするという方法がオススメです。
確実にデータの履歴書よりも思いが伝わりやすく通過率は上がります。
手書きの履歴書を更に良くする方法
先程、履歴書を手書きで書くと、企業から『PCが使えないのではないか?』と思われるという不安を持つ求職者がいますとお話しました。
履歴書に資格欄にエクセルなどの資格を記載すれば完璧だと言いましたが、資格がない場合はどうしましょう。
その場合の解決策と、そして、手書きの履歴書を更に引き立てる方法をご紹介します。
その方法は、自分でエクセルやワードを使って、履歴書のフォーマットを作成し、それを自宅などでプリントアウトして、手書きで履歴書を作成するというやり方です。
このやり方によりどのような効果を期待できるかと言いますと、まず、フォーマットをエクセルなどで作成することで、求職者自身がPCスキルがあると資格に頼らずとも企業に伝えることができます。
そして、手書きにすることで熱意を伝えることができます。
この2つを抱き合わせで行うことができる方法がフォーマットを自分で作成し、手書きにするということです。
できれば避けたい手書きの履歴書は、コンビニなどで売っている市販の履歴書を用いて手書きで提出するということです。
手書きは良いのですが、市販の履歴書により手書きの効果が半減します。
市販の履歴書は他の求職者でも使う可能性が高く、差別化を図れません。
また、PC操作ができるというエビデンスにすることもできません。
何となくのイメージですが、市販の履歴書に『安っぽさ』を感じませんか?
企業が市販の履歴書に対してアレルギー反応を持っていることもあり、市販の履歴書は控えた方が良いです。
せっかくの手書きの履歴書が市販の履歴書により企業が嫌う要素になってしまいますので、市販ではなく自分で作成したフォーマットに手書きするという方が絶対に良いです。
市販の履歴書は、それ以外でも、記載できる内容が淡泊ですので、求職者が伝えたい内容をしっかり記載することができず、実は転職活動では不向きです。
転職市場では、市販の履歴書は良い印象を与えませんし、市販で売っている履歴書の主な想定対象は、アルバイトやパートの選考用です。
求職者は、正社員を希望して転職活動をしている訳ですから、その立場を考えて履歴書選びをしてください。
転職エージェントを利用するとより効果的
転職市場には複数の転職方法があります。
冒頭でもご紹介した通り、転職サイトもその一つですが、転職サイトやその他の方法よりも手書きの履歴書と相性が良い転職方法は、転職エージェントです。
転職エージェントのサービスについては省略しますが、転職エージェントから求人の紹介があり、求職者が応募したい思えば転職エージェントを介して応募するのですが、その際、転職エージェントから企業へ提出するときは、すべてデータで行われます。
手書きの履歴書がそこでどのような効果があるのかと言いますと、形はデータになりますが、手書きをPDFにして提出しますのので、手書きであることは企業は把握することができます。
先述も言いましたが、手書きの履歴書自体にあまり意味はないのですが、手書きにしたというプロセスを企業は評価します。
現職で忙しい中、わざわざ手書きで履歴書を作成するということは、あまり志望度が高くない企業にはそのようなことはしないという考えが企業にはあります。
企業の選考には必然性が大事であると言われますが、まさに、手書きというプロセスは履歴書内に志望理由などを記載しなくても、それだけで必然性が伝わり熱意にもなります。
転職エージェントを使うことで、転職エージェントは、企業に対して推薦状を提出しますが、そこに手書きである理由を第三者視点で記載します。
手書きにした求職者本人が、手書きにした理由を伝えると、会ってもいないなかで、アピールしているように感じます。
しかし、転職エージェントは第三者です。
第三者が言うことと求職者本人が言うことでは、同じ内容でも企業への伝わり方が違います。
手書きの履歴書、自分で作成したフォーマット、更には転職エージェントからの手書き理由の伝達、3つのポイントにより手書きの履歴書の効果は抜群です。
やってはいけない手書きの履歴書
ここまでは転職活動で取り入れて欲しい手書きの履歴書についてご紹介しましたが、ここからは、せっかくの手書きの履歴書が水の泡になるやってはいけないことをお話します。
就職活動を行う就活生には良くありますし、年齢が若い求職者で手書きの履歴書で選考を受ける人にありがちなことです。
それは、手書きは手書きでも、色ペンや太字で自分が伝えたいことを強調してしまうやり方です。
このやり方は、転職市場ではマイナス評価です。
転職活動は確かに自分を企業にアピールし売り込むことが大事なのですが、色ペンや太字は転職市場では非常識になります。
転職活動は転職のための行動で、転職は仕事をするための手段です。
転職後は、給料をもらい労働力を提供する訳ですから、プロです。
このようなプロの選考において、幼稚に感じる色ペンや太字でアピールすることは、手書きであっても、手書きの効果が全くなくなるぐらいマイナスになります。
このやり方は大手企業、ベンチャー企業、その他の企業群すべてにおいて嫌われるやり方ですので求職者は注意してください。
手書きの履歴書で転職活動の質を上げる
転職活動は求職者それぞれにやり方が違いますし、希望条件も異なります。
また、企業によっても選考内容は違いがありますが、転職活動のやり方は違っても、企業の選考内容に違いがあっても、絶対的にプラスに働くやり方が手書きの履歴書です。
最強のアピール方法と言えるでしょう。
どの企業に提出しても、他の求職者との差別化を図ることができますし、書類選考においては特にその威力は絶大です。
手書きの履歴書で、求職者の転職活動は大きく変化することができるでしょう。
現職との同時並行で大変な部分はありますが、ここぞというときには、この企業には絶対に入りたいというときには、是非、手書きの履歴書で選考を受けてみてください。
きっとチャンスは広がります。